お墓の豆知識 – Q&A

Q1.「良いお墓」と「悪いお墓」の違いを教えて下さい。

A1.お墓はどんな建て方をしたとしても「悪いお墓」にはなりません。

建てたお墓を「良いお墓」にするのも「悪いお墓」にするのも、すべてはお墓をお守りする方次第です。
石の品質で良し悪しを言うならば、「一番高い石の品質が一番良い」とも言い切れません。
何をもって品質を「良い」「悪い」とするかは、石材店ごとに考え方に違いがあります。
石材店を選ぶときに、店主のお墓に体する考え方を聞いてみてください。
また、お墓は「高ければ良い」というものではありませんが、安すぎるものに良いものはありません。
お墓にも適性価格があり、「価格に見合った仕事」というものがあります。本当に良いものは技術の高い職人が手間隙かけて作っているため、それなりの費用もかかります。

Q2.お墓を建てるのに良い時期を教えて下さい。

A2.特に決まりはありませんので、いつ建ててもOKです。

明確な『お墓を建てる時期』というものは、特に決まりはありませんので、答えとしては『いつ建ててもいいですよ。』ということになります。
一般的には百か日や一周忌などの忌日にあわせるケース、春秋のお彼岸やお盆などの行事にあわせる場合などが多く見られますので、これらの例を参考にされると良いでしょう。
最近では寿陵(じゅりょう)といって生前にお墓を建てる人も増えているようです。
寿命を永らえるという意味で縁起が良いとされていますが、ご家族と相談しながら時間をかけて好みのお墓を選べるというメリットもあります。

Q3.「永代使用権」って何ですか?

A3.永代使用権とは『墓所を使用する権利』のことです。

お墓を購入するために、まず最初に必要なこと…それは「墓地を購入する」ということですが、あくまでもこれは一般的な表現で、実際に土地を買うわけではありません。ここが重要です。実際に購入するのは『墓所を使用する権利』。これを『永代使用権』と言い、この権利を購入するために支払う費用のことを『永代使用料』と呼びます。
永代使用権については、個々の霊園や墓地の契約内容によって異なるため、よく確認をすることが必要です。また一般的に永代使用料とは「子孫の代が続く限り、永代に使用する権利に対する費用」ですので、一度納めれば代が変わるたびに必要になる費用ではありません。

Q4.「卒塔婆(そとば)」って何ですか?

A4.主に墓の脇に供養塔の意味で立てられる五輪塔の形を模した板のことです。

卒塔婆(そとば)とは、法要の時などに使用する細長い板のことを言います。この名前はサンスクリット語のストゥーバ(stupa)を日本語に音訳したもので、塔婆(とうば)とも略されます。元は仏舎利(お釈迦様の遺骨)を安置する建築物を意味していましたが、現在の日本では追善供養のために文字(戒名・梵字など)を書き、墓の脇に立てる塔の形をした板のことを「卒塔婆」と呼ぶことが多く、供養塔の意味で使用されます。
あの特徴的な形は、五輪塔を模しており、上から宇宙の五大要素、空・風・火・水・地を表しています。
なお、浄土真宗では旧習を廃する傾向があり、卒塔婆を立てません。

Q5.お墓を建てる方角や時期などに良い悪いがあるのでしょうか?

A5.仏教では根拠の無いこと。気になさる必要は全くありません。

お墓を建てる方角、時期、色、形が悪い・良くないと指摘された~など、こうした「方角」「時期」などについての良い・悪いを教えて!というご質問をよく頂きますが、実際の所気になさる必要は全くありません。なぜなら仏教では根拠の無いことだからです。
※時期については、Q2への回答でご紹介した百か日や一周忌などの忌日にあわせるケースや、春秋のお彼岸やお盆などの行事にあわせるケースを参考になさるのも良いでしょう。
本当の意味での「良いお墓」とは、ご家族様が故人のことを思って、ご先祖様を偲び、供養する思いを込めて作られたお墓。また、ご家族でよくお参りやお手入れ(掃除など)をされ、大切にされているお墓。こうしたお墓こそが、宗派を問わず本当の意味での「良いお墓」なのです。
建てる時に形だけを気にしてお参りが疎かにされるお墓はとても寂しいものです。
ご先祖様や故人様のことを偲んで、どうぞご家族でご供養なさって下さい。

Q6.「開眼供養(かいがんくよう)」について教えて下さい。

A6.「開眼」とは、供養して仏の霊(たましい)を迎え入れるという意味です。

お墓は建てただけではただの石にすぎません。開眼供養を済ませて初めて礼拝の対象となります。
墓石を建てたらできるだけ早く開眼供養して魂入れするのが大切!とよく言われるのは、こうした意味からです。現在ではお墓を建てた後、お骨を納める「納骨法要」と合わせて行なうのが一般的になっています。また、特に決まりはありませんが、多くの方に参会してもらえるように、年忌法要の時・お盆・お彼岸などの親類縁者が集まり易い機会を選ぶと良いでしょう。
ちなみに寿陵の場合は、当然お骨がないわけですから、この場合はお墓の完成の時期に合わせて、「開眼供養のみ」行うようにするのが良いでしょう。

Q7.建立と納骨を同時に行う場合はお祝い?仏事?

A7.地域によっても異なりますが「仏事」を優先します。

お祝い事(墓石建立)と仏事が重なった場合には、地域によっても異なりますが仏事を優先します。つまり今回のご質問のように建立(お祝い)と納骨(仏事)を同時に行うような場合には、仏事が優先されます。
そのためこのような場合に和尚さんにお渡しするお経料には、奉書紙または白封筒を用いて、表書きは「御布施」とします。御布施の他に「御車料」や「御膳料」を包まれる場合は、市販の白い封筒を用いる事が多いようです。これらの表書きについては先の「御布施」同様に、仏式・神式・キリスト教式など宗教・宗派によって異なります。
(例 仏式/御布施 神式/御礼・御祭祀料キリスト教式/御礼・御ミサ料 など)